閉まらなくなったファスナーを自分で直す!原因別の簡単な対処方法 - タカハマライフアート

バッグやお財布、パーカーやブーツなど、さまざまな衣服や小物に使われているファスナー(チャック)。開け閉めが楽で便利なパーツですが、ひとたびトラブルが起こるとどう直していいのかわからず途方に暮れたことはありませんか。

生地を噛んでしまってファスナーが動かなくなったり、閉めたつもりが下の方から開いてしまったり。

しかも、外出先や急いでいる時に限って不思議とよく壊れたりするものですよね。

そんな時、自分でできる緊急対処方法を知っていれば安心です。今回は閉まらなくなった原因別の対処方法をご紹介しますので、いざ困ったときの参考にしてください。


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まずはファスナーの基本構造を知ろう

ファスターが閉まらなくなる原因はさまざまです。とりあえず引っ張ってみればなんとかなるかも、というのは生地そのものを傷める恐れがあるので禁物!

適切な対処をとるためには、まずどの部分がトラブルの元となっているのかを把握するのが重要です。そのためにファスナーの基本的な構造を簡単に把握しておきましょう。

ファスナーの部品

ファスナーのタイプは、務歯の素材と幅・厚みで区別しています。スライダーにも種類がありますのでご注意ください。

参考:パーツラボ

金属製や樹脂製など素材はさまざま、名称も「チャック」「ジッパー」と異なりますが、基本構造はどれも同じ。大きく3つの部品で構成されています。

エレメント

ファスナーの両サイドにあるギザギザとした歯のような部分です。

スライダー

ファスナーを開け閉めする時に引っ張る部分で、左右のエレメントを噛み合わせる役割があります。

テープ

エレメントと一体化しており、衣服やバッグ本体の生地とファスナーを結合する役割になります。

ファスナーが閉まる仕組み

「歯」の部分になるエレメントの上をスライダーが上下に動き、歯を噛み合わせていくことで左右を結合させていくのがファスナーの仕組み。スライダーの内部はY字型のトンネルになっており、上にあげると左右のスライダーの歯を噛みわさせて閉じていきます。逆に下に下げるとYの支柱部分で押し広げていきます。

閉めるときは、エレメントの左右の凹凸が規則的かつスムーズに噛み合うことがポイント。ここがなんらかの原因でずれたり引っかかったりすることで、トラブルが発生する原因になるのです。

トラブルの原因別対処方法

それではファスナーの基本構造を踏まえて、突然閉まらなくなったファスナーを自分で直す方法を代表的な4つのケースでご紹介します。

ケース1:スライダーが生地を噛んだ

参考:リファイン

ファスナーのトラブルで一番多いのが、スライダーが生地まで一緒に巻き込んで動かなくなってしまうというものでしょう。

この場合、闇雲に生地を引っ張ることは厳禁です。巻き込んだ生地を傷めるだけではなく、スライダーが破損し状況をさらに悪化させてしまう危険も。

まずは挟まった生地をゆっくりスライダー本体部分の隙間から引き出すように左右に引っ張ります。その状態で噛んでしまった方向ではなく、その「逆の」方向に向かってスライダーを動かしていくと生地がとれます。噛み込んでる生地を横に引っ張りながらスライダーを動かすことがポイントですよ。

ケース2:エレメントが閉まらない

ファスナーを閉めたはずなのに、上下が開いてしまう場合こともよくあるのではないでしょうか。この場合に考えられる原因は、スライダーの胴体部分が緩んでいること。スライダーは何度も繰り返し使っていると胴体部分が緩く広がっていき、エレメントを噛み合わせる力が弱くなっていくものです。

これは先が細めのペンチを使って改善する事ができます。まずペンチでスライダーを挟み、左右下部分をそれぞれ優しく挟んで押しましょう。この時力を入れすぎないように注意してください。きつく締めすぎるとかえってスライダーが動かなくなります。

ケース3:エレメントがズレる

参考:リファイン

ファスナーを閉めようとスライダーをあげたときに、エレメント部分が片方だけ余ってしまうことがあります。これは、スライダー部分の劣化が進み片側が緩くなってしまったため、左右対象に噛み合わせることができなくなったことが原因。

この場合もペンチで簡単に直せますよ。

エレメントが余っている側の生地をひっぱり、両方のエレメントを正しい位置に揃えます。その状態でペンチでスライダーの緩みを締め直せばズレは解消するでしょう。

ケース4 :スライダーの動きが悪い、動かない

長く使った金属製のファスナーは錆びてしまうことがあります。専用の潤滑油を使うと改善されますが、持っていない場合はリップクリームやワセリンでも代用することができますので試してみてください。

綿棒にリップクリームを塗り、両側のエレメントに薄くつけるだけなので簡単です。この時、色がついたリップクリームだと衣服についてとれない可能性もあるので、無色のものを使う方がいいでしょう。

自分で直せない場合はどんな時?

軽微な故障であればご紹介した方法で直すことができますが、劣化や破損の程度によっては自分ではどうしても直せないケースがあります。

ファスナーは何度も上下させる部品なので劣化が早い部分。無理をせず専門家に頼んだほうがいいケースをご紹介しますので、修理に出すか悩んだ時の参考にしてください。

スライダーが経年劣化でうまく噛み合わない

参考:リファイン

まず考えられるのがスライダーの経年劣化。経年劣化によるトラブルの場合、一時的に自分でスライダーの不具合を改善できたとしてもまたすぐに同様のトラブルが発生するようになります。同じ不具合が頻繁に発生するようになったら、ファスナーそのものの替え時でしょう。

エレメントの破損

エレメント自体が破損すると新しいファスナーに交換しないといけません。経年劣化のほか、アイロンがけによる高熱による変形なども破損の原因として考えられるでしょう。自分でエレメントの緩みをペンチで直すときに力を入れすぎることも破損の原因になるので注意してくださいね。

頑固な錆

ルイヴィトンファスナー金具の錆や剥げ跡

参考:買取店長

錆がひどくなってしまった場合も本格的な修理が必要になる場合があります。

自分で落とせる錆には限界があります。錆びた状態のまま使用しているとスライダーの動きも悪くなり、強い力で引っ張る事でファスナーだけではなく本体の生地にまでダメージが出てしまう場合があるので、専門のメーカーでの修理を検討しましょう。

ファスナーは自分で取り替えられるのか?

ファスナーそのものを自分で取り替えることも可能です。ミシンで取り付ける、手縫いで縫い付ける、手芸用ボンドで取り付ける、といった方法があります。

注意が必要なのは壊れたファスナーを本体から取り外す時。ファスナーは頑丈に衣服や小物本体に縫い付けてあるため、ファスナーを取り外す作業はかなり大変です。無理をするとファスナー付近の生地がボロボロになって修復できなくなる場合もあるので、裁縫の力量が必要になるでしょう。

ファスナーそのものを取り替える際は、プロに頼む方法が安心で簡単です。

プロに修理を頼むときの相場感

プロに修理を依頼するとき、衣服や小物の生地(布製品か、革製品か)やファスナーの種類によっても値段は大きく変わってきます。

今回は一般的な衣服のファスナーを交換する場合の相場感を大手3社で比較しました。(税込価格/修理箇所は1箇所のみ)

スライダーのみの変更で修理できる場合は半額以下になるので、現物を見せて相談するとよいでしょう。

A社 B社 C社 
パンツ 2,860円~ 2,750円~ 4,730円~
スカート 2,860円~ 3,410円~ 4,730円~
ジャケット/ブルゾン 5,500円~ 6,600円~

 

 

ファスナーがしまらない時は無理な力をかけないが鉄則!

大事な衣服や小物のファスナーが突然しまらなくなると、気持ちが焦ってつい力強く引っ張ってしまいがち。ですが、ファスナーのトラブル発生時には「無理な力をかけないこと」が鉄則です。

なにが原因で起きたトラブルなのかを慌てずに判断し、ご紹介した対処方法で改善できるか試してみてください。

ファスナーは頻繁に動かす部分なので、大事に使っていても経年劣化により動かなくなったり破損したりする場合もあります。

そんな時はファスナー自体の交換を検討しましょう。裁縫に自信があれば自分で直すこともできますが、取り外しの難易度が高いので愛着がある衣服であればプロにお願いした方が安心です。

衣服や小物本体を傷付けず長く愛用できるように、ファスナーのトラブルにも正しく対応したいですね。

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