【必読】アニメキャラでTシャツを作る前に絶対知っておきたいNG事例

目次

  1. 大好きなアニメキャラ、オリジナルTシャツにしても大丈夫?
  2. 【基礎知識】著作権・商標権ってなんだろう
    1. 著作権とは
    2. 商標権とは
  3. 【ケーススタディ】オリジナルTシャツにアニメキャラクターを利用できるのか
    1. ネットから取得したキャラクターの図案をプリント
    2. アニメに登場するロゴだけ利用した
    3. アニメキャラクターを模写してデザイン
    4. アニメキャラクターをパロディ表現
    5. キャラクター名をロゴデザイン化
    6. 著作権・商標権侵害になる作成目的や着用シーン
  4. 豆知識:同人誌はなぜ著作権侵害として訴えられないのか
  5. アニメの絵柄の利用は慎重に

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大好きなアニメキャラ、オリジナルTシャツにしても大丈夫?

「大好きなアニメキャラを応援したい」

「”推し”キャラをプリントしたTシャツを着て、いつも一緒にいたい!」

アニメを愛する気持ちから、アニメのキャラクターをプリントしたオリジナルTシャツを作ろうと思っている方、ちょっと待って!

実はアニメの絵柄を無断で利用してオリジナルTシャツを作ると、著作権・商標権という他の人の権利を侵害し、場合によっては刑事罰の対象になることもあるので注意が必要です。

今回は、著作権・商標権という法律の基礎知識をとても簡単にご紹介した上で、架空のアニメのキャラクターを利用してオリジナルTシャツを作る場合のNG事例をご紹介します。「法律って何だか難しそう」と思っている方も、ケーススタディでとても簡単にご説明しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

【基礎知識】著作権・商標権ってなんだろう

そもそも著作権・商標権とは一体どんな権利でしょうか。それぞれの権利の基本的な考え方を簡単にご紹介します。

著作権とは

著作権とは、絵や小説、映画といった自分の考えを表現した創作物(=著作物)に対する創作者(=著作者)の権利を保護するための法律です。誰でも創作をした瞬間に著作者になり、自分の著作物を勝手に利用されない権利が自動的に発生します。

「自分の著作物を勝手に利用されない」とは、コピーされたり、真似して別の著作物を作られたり、配布や配信・上映をしたりしないということで、かなり広い行為に対して認められています。

商標権とは

商標権とは特許庁に登録することで生まれる権利で、会社やサービスの信用を守るために「このロゴや名称は、ある企業だけが独占して使用することができる」ということを公にしています。

例えば、GUCCIというロゴや名称を誰もが自由に使ってバッグや衣服を作れるようになると、GUCCIというブランドの品質に対する信用が守れないですよね。

商標権は企業の信用と、消費者の安全を守るために認められた権利なのです。

【ケーススタディ】オリジナルTシャツにアニメキャラクターを利用できるのか

アニメのキャラクターを利用してオリジナルTシャツを作る方法は、そのまま絵柄をプリントするだけではなく、模写やパロディなどさまざまな表現方法がありますよね。

全てのケースが著作権・商標権の侵害に該当するのでしょうか?

著作権や商標権の概要について理解できたら、今度は実際にアニメキャラクターを利用してオリジナルTシャツを作る場合を想定してケーススタディをしてみたいと思います。

【前提】

まだまだ知名度の低いアニメ「大怪獣戦争」のキャラクター”怪獣X”等を利用してオリジナルTシャツを作り、ファンの集まりで配布し着用した様子をSNSに掲載しようと考えた。

ネットから取得したキャラクターの図案をプリント

まず思いつくのが、キャラクターの図案をインターネットの画像検索などからダウンロードし、そのままプリントアウトする方法ですね。

こちらは、著作権法の「複製権」という、勝手に複製されない権利を侵害することになるのでNGになります。

ちなみに、アニメや登場するキャクターなどの知名度が低いことは著作権の侵害にあたるかどうかの判断には全く関係がありません。利益を得る目的ではなくそのアニメやキャラクターを無償で応援する気持ちだったとしても、著作権侵害に該当します。

アニメに登場するロゴだけ利用した

”怪獣X”の姿をそのまま利用するのはNGなので、”怪獣X”の胸についているトレードマークだけ利用すれば、キャラクターそのもの利用ではないので許容範囲でしょうか。

答えはNG。一部の利用であっても著作権侵害に該当します。

キャラクターそのものではなく、例えば作中に登場するトレードマーク、特徴的な乗り物・動物・建物などにも著作権は認められているのです。

アニメキャラクターを模写してデザイン

絵柄をそのままプリントするのではなく、”怪獣X”を自分で模写した場合はどうでしょうか。

”怪獣X”をそのままコピーしたわけではなく、自分で描いた絵なので著作権侵害にならないような気がするかもしれません。

しかし、実は模写であっても元のネタが”怪獣X”であることが他の人から見て容易にわかる場合は、著作権の「複製権」侵害にあたるので注意が必要です。

アニメキャラクターをパロディ表現

コピーや模写など、”怪獣X”のそのままのデザインを利用するのがNGなのであれば、”怪獣X”の体を別なキャラクターと合体させたり、帽子やサングラスを合成しパロディ化した場合について考えてみましょう。

著作権には「翻案権」という、オリジナルの著作物の特徴を残しながら具体的な表現を変更することができる権利がありますが、この権利を持っているのは著作権者だけ。そのため、合成やパロディはこの翻案権の侵害にあたり、著作権侵害になってしまうのです。

キャラクター名をロゴデザイン化

”怪獣X”のキャラクターの絵柄が利用できないのであれば、キャラクター名など「言葉」の利用であればどうでしょうか。”大怪獣X”というキャラクター名を自分でロゴデザインし、Tシャツにプリントするのは、著作物の利用ではないので大丈夫そうに思えますね。

しかし今度は商標権の問題が出てきます。

「大怪獣戦争」を製作した人、または企業が”大怪獣X”を商標権登録し、利用範囲としてTシャツなどのグッズ制作を定めていれば、キャクター名の利用が商標権の侵害に該当するリスクがあります。

例えば東宝株式会社の「GODZILLA/ゴジラ」や、任天堂株式会社の「ピカチュウ」は被服への使用が商標登録されているので、「ゴジラ」や「ピカチュウ」を勝手にプリントしてTシャツを作ることはできないのです。

商標権の侵害と判断されるにはさまざまな要素があるため、他の人が登録している商標を使用したらどんな場合も商標権侵害と判断されるわけではないのですが、いろいろな裁判事例があるので法律の専門家が認めた場合を除いて、無断使用は避けた方が安全なのです。

商標登録状況はこちらから誰でも確認できます。

著作権・商標権侵害になる作成目的や着用シーン

今回のケーススタディの場合、ポイントになってくるのは「イベントで配布すること」「SNSに投稿すること」です。

著作権や商標権は、あくまで家族内で楽しむ程度の私的利用であれば侵害とされません。

しかし、本ケースのように、複数人が参加するイベントで配ったり、お揃いのTシャツを着用したり、SNSに写真を投稿したりすると私的利用の範囲を超えて著作権違反になります。

豆知識:同人誌はなぜ著作権侵害として訴えられないのか

ここまで読んでくださった方は、同人誌やSNSに投稿されているパロディ漫画がなぜ著作権侵害に該当せず世の中で流通しているのか、ということを疑問に思うかもしれません。

同人誌等も本来は著作権侵害なのですが、著作権は「親告罪」と言って著作権者が「著作権を侵害されている!」と訴えて初めて成立する権利。そのため、著作権者が「宣伝にもなるし、利用を黙認しよう」というのであれば侵害として訴えられないのです。

しかし、あくまで訴える、訴えないは著作権者の判断次第。誰かが無断利用していたから自分も大丈夫だろうということではないので、注意してくださいね。

アニメの絵柄の利用は慎重に

今回ご紹介したアニメの絵柄やキャラクター名の利用のNG事例からわかるように、アニメの絵柄やキャラクター名を利用したオリジナルTシャツ作りは著作権や商標権を侵害する場合が多いので注意が必要です。

例えば、「著作権者から利用について許諾をもらった」「家庭内でだけ着用した」という場合もで、少し利用範囲が広がってしまったり、家庭内で着用した様子をSNSに投稿してしまったりしたとたん、権利侵害のリスクが発生してしまう場合も。

大好きなアニメキャラに対する愛情からしてしまった行為で、残念な思いをしないように十分注意してくださいね。

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