「何気なくファスナーを上げたら、片方だけ外れた」「お気に入りのパーカーのファスナーが閉まらなくなって困った…!」という経験をしたことはありませんか?

もしスカートやパンツのファスナーなら、ファスナーが直らないと履けなくなってしまいますよね。

出先でファスナーが外れた時でも対応できるように、この記事ではファスナーが片方だけ外れた場合の直し方、両方外れた場合の直し方をご紹介します。

目次

  1. ファスナーを直す前に知っておきたいファスナーの構造
  2. ファスナーが片方だけ外れる原因と直し方
  3. ファスナーが両方外れる原因と直し方
  4. まとめ

ファスナーを直す前に知っておきたいファスナーの構造

ファスナーは主に、ファスナーを開閉する時に動かす「①スライダー」、噛み合わせる突起の部分を指す「②エレメント」、ファスナーを洋服に取り付ける「③テープ」、スライダーが抜けないように留める「④上止と下止」の4つのパーツからできています。

外れたファスナーを直すには、ファスナーの構造を知っておくと、よりスムーズに進められますので、まずは構造から理解しておきましょう。

ファスナーの重要パーツの名前と役割

①スライダー

スライダーは、ファスナーを閉じたり開けたりするパーツです。

エレメントに沿って移動することで、ファスナーを開閉することができます。一般的には金属、プラスチック、または合成素材から作られています。

②エレメント(務歯)

ファスナーの両端に取り付けられた、ギザギザとした突起の付いたパーツです。スライダーによって突起部分が噛み合い、ファスナーの役割を果たします。

③テープ

テープは、洋服やバッグにファスナー(エレメント)を縫い付けるパーツです。テープ部分は耐久性が求められるため、比較的丈夫な素材を使用して作られています。

④上止と下止

上止と下止は、エレメントの上下に取り付けるパーツです。スライダーがエレメントから抜けないように留めておく役割があります。

上止は、ファスナーを閉じるときに接触する部分を指します。下止は、ファスナーを開いたときに接触する部分を指します。

ファスナーが外れた時に、どのパーツに問題があるのか判断してみましょう。

ファスナーが片方だけ外れる原因と直し方

ファスナーが片方だけ外れる原因はいくつか考えられます。

何が原因なのかを確認し、直していきましょう。

片方だけ外れる原因

片方だけ外れている状態とは、スライダーの左右どちらかのエレメントが外れてしまい、スライダーを上下に動かしても、ファスナーを閉じられない状態を指します。

スライダーに問題がある

  • エレメントを噛み合わせる部分が広がっている
  • 洋服の生地やテープ部分を噛んでいる

スライダー自体が経年劣化による故障や、スライダー自体が何かの弾みで故障していれば、これからご紹介する方法では対応できません。上記のような原因であれば、直すことができます。

エレメントが破損している

  • エレメントの部分が折れてしまっていたり、欠けている

スライダーに問題がない場合に考えられる原因です。

エレメントのギザギザとした突起の部分が折れてたり、破損するとそこでスライダーが引っかかってしまい、外れてしまいます。

以上のように、片方だけファスナーが外れる原因は、スライダーやエレメントに関係していることが多いです。無理矢理直そうとすると、ファスナー自体が壊れてしまい、修復できなくなってしまいますので、どのパーツに問題がありそうかをしっかり確認してくださいね。

ファスナーの直し方

片方だけ外れた原因からファスナーを直す方法を見ていきましょう。

①エレメントを噛み合わせる部分が広がっている

素手で直す方法と器具を使って直す方法がありますので、試しやすい方を選んでくださいね。

  • 素手で直す方法
    スライダーを下止から1センチ程上のあたりに動かしてください。次に、外れている方のエレメントをつまみ、山折りにして、エレメントに隙間を作ります。広がったエレメントの隙間からスライダーの角を押し込み、そのまま下止まで一気に押し込みます。
    うまくはめるコツは、エレメントをつまんでいる手でエレメントをスライダーとは逆方向に引っ張ると◎
  • マイナスドライバーとペンチで直す方法
    外れている方のスライダーの噛み合わせ部分(見た目がコの字になっている部分)にマイナスドライバーを通し、エレメントを通してペンチで締めれば完了です。
    金属製のスライダーの場合、ドライヤーなどで温めると開きやすくなるのでオススメです。

②洋服の生地やテープ部分を噛んでいる

生地やテープの部分を噛んで、片方のファスナーが取れてしまった場合は、生地を噛んでしまった状態の解消から行いましょう。噛んだ生地の周りをゆっくりと引っ張りながら、噛んだ方向と逆方向にスライダーを動かすことで、元に戻せます。

外れたスライダーをはめる方法は、①と同じ方法です。

③エレメントが破損している

エレメントが破損している箇所にスライダーを動かします。外れたスライダーをはめる方法は、①と同じ方法です。

ただし、エレメントが破損しているため、使い続けるとさらに破損してしまい、修復不可能になってしまう場合があります。その場合は、ファスナーの取り替えも検討してください。

修理が完了したら、ファスナーを動かして、問題なく開閉できるかを確認してくださいね。

ファスナーが両方外れる原因と直し方

ファスナーが両方とも外れる原因はいくつか考えられます。

何が原因なのかを確認し、直していきましょう。

両方外れる原因

両方外れている状態とは、ファスナーはちゃんと機能しているのに、スライダーを上下に動かしても、エレメントがほどけてファスナーが閉じられない状態や、スライダーがファスナーから取れてしまった状態を指します。

スライダーに問題がある

  • エレメントを噛み合わせる部分が広がっている
  • 洋服の生地やテープ部分を噛んでいる

スライダー自体が経年劣化による故障や、スライダー自体が何かの弾みで故障していれば、これからご紹介する方法では対応できません。スライダー自体に問題がなければ、直すことができます。

スライダー・エレメントに問題がある

  • スライダーがエレメントから取れる

上記のことから、ファスナーが外れる原因は、片方の時と同様に、スライダーやエレメントに問題があるとファスナーが外れやすくなると言えますね。

ファスナーの直し方

両方外れた原因からファスナーを直す方法を見ていきましょう。

①エレメントを噛み合わせる部分が広がっている

スライダーを動かしてもエレメントが噛み合わず、スライダーを中心にX字になって、ファスナーファーが閉まらない状態を直す方法です。

スライダーを見て、エレメントを噛み合わせる部分(見た目がコの字になっている部分)の左右下部で広がり具合を確認します。

左右で広がりが確認できたら、スライダーの下部をペンチで挟み、広がりを元に戻します。ペンチでスライダーを挟む際、勢いよく力を入れると破損の原因になりますので、徐々に力を込めるようにしてください。

広がりを調整しながらスライダーをゆっくりと上に動かし、ファスナーが閉じるのを確認できたら、ゆっくりと下に動かして、ファスナーが閉じれば完了です。

②洋服の生地やテープ部分を噛んでいる

生地がスライダーを噛んだことでファスナーが閉まらず、スライダーを中心にX字になって、ファスナーが閉まらない状態を直す方法です。

スライダーにマイナスドライバーを差し込んで、噛んでしまった生地をゆっくりと取り外してください。金属製のファスナーであれば、ドライヤーで温めてからマイナスドライバーを差し込むと、金属が緩みますので、お好みで試してみてください。

③スライダーがエレメントから取れる

エレメントの破損が原因でスライダーが外れたのであれば、スライダーに左右のエレメントを1つずつ通して元に戻すことができます。(戻し方は、片方だけ外れた場合の直し方①を参照)

留め具の役割をしている上止・下止が破損している場合は、スライダーを取り付けることで簡単に元に戻せます。ただし、留め具がない状態で使用を続けるため、知らない間にスライダーが取れてしまい、そのまま無くしてしまう恐れもあるため、早めに修理に出すことをオススメします。

まとめ

今回ご紹介した外れたファスナーを直す方法は、出先でも試せる、応急処置的な内容となっています。ペンチやマイナスドライバーは、100均でも手に入れられるため、素手で直せない場合に有効です。そして、器具を使って直す際に気をつけていただきたいのは、ファスナーを傷つけてしまうことです。

力を入れすぎてスライダーを壊してしまうと、修復不可能になってしまうため、自己修理に自信がない場合は、ファスナー修理の専門店への依頼をご検討ください。

この記事を参考にして、お気に入りのお洋服を長く着てもらえると嬉しいです。

また、タカハマライフアートでは、オリジナルファスナー付きパーカーを誰でも簡単に作成することができます。

デザインを入稿してパーカーの種類や色を選択するだけで、簡単にオリジナルパーカーを作ることができるので、ぜひ試してみてください!